ディバイザー製品群の根幹となるブランド、Bacchus Handmade series、Momose、Headway Aska Team Builtなどと言った上位機種のラインナップはグループ企業である工房、「有限会社飛鳥」の職人たちによって製作されております。

ディバイザーと飛鳥は同じ敷地内に構え、頻繁に社員同士が行きかいながら、普段から販売側と製造側の間で綿密な コミュニケーションが交わされています。 販売側と職人の距離が近く、一体となってギター製作をしていることは私たちの特色であり強味でもあると考えております。

今回の『One Day Guitar Show』において、私たちのギター製作の現場をより多くの皆様に見て頂く機会を設けたいと考え、この『バーチャル職人体験』のアイディアが生まれました。

 

飛鳥工場の製作工程は手作業が多く、一つ一つの工程に職人のこだわりと熟練の技が込められています。その一端を職人目線のカメラで見て頂くことにより職人のギター製作を体感して頂き、ギターという楽器により深い関心や愛着を持っていただければ幸いです。

 

01加工体験

職人コメント

木材加工で一番心掛けていることは、その木材に適した加工することです。ネック材は、節を避け狂いが少ない木取りを意識しており、ボディ材は塗装との関係を考えて材選定するところから始めます。特にオイル塗装などは、木材の影響を受けやすいので非常に厳しく選定しております。また、飛鳥工場ではアルダーやアッシュ以外にトチや黒柿など国産の木材を積極的に使用致します。木材によって硬さ、加工性が変化するためNCルーターなどの大型の機械で一度にたくさん加工すると後々トラブルになる可能性があります。そのため一本、一本、職人が木材を確認してピンルーターと呼ばれる機械で加工しますので、木材に適した加工が出来ます。特にネック材は影響が大きく、人の目で確認しているからこそ使えない部分を避けることが出来ます。時間はかかりますが、長く安心して使用できるためにこの手法を用いております。


ボディ切り出し

ネック切り出し

ネックポケット加工

ブリッジ・PU・キャビティ ザグリ加工ボディ面取り

02研磨

職人コメント

研磨作業を行う中で心掛けていることは、完成品イメージを常に考えながら作業をすることです。ボディとネックがバラバラな状態で研磨をするので、作業者の都合が良い方向に進んでしまうことがあります。そうならないように、完成した時の触り心地、弾き心地などを意識しております。特にネックグリップに関しては、ダイレクトにプレイアビリティに関わる部分となっております。そのため、職人の手作業がメインとなっておりますので、初めて弾くギターだけれど触り馴染みのあるような仕上げを心がけております。ボディに関しては、塗装との関係も深く研磨が不十分だと塗装不良につながります。今自分が磨いているボディが何色になるかを把握して研磨することが重要です。中には、逆のパターンもありOne Day Guitar Showモデルなどは、様々な材料を使用しているので研磨が終わった後にカラーを決めております。したがって、その木材に一番適した色に塗装することが可能となっております。地道な作業ですが、その後の作業や完成度に直結するので気が引けません。飛鳥工場で研磨したモデルが弾き易いと思ってもらえると嬉しいですね。


ボディ研磨

03塗装

職人コメント

木材の個性を最大限に引き出すことを意識して着色しております。杢目が複雑な木材もあれば、シンプルな木材もあります。木材が持つ個性を引き出すことが塗装職人の腕の見せ所だと考えてります。着地点を塗装前に予め決めてしまうと、イメージに固執してしまい逆に個性を潰してしまうこともあると思います。実際に手を動かしながら筋道をたて、時にはセオリーからも外れることで木材の個性を引き出すカラーを生み出すことが出来ます。特に、今回のOne Day Guitar Showのバックアイバールトチを使用したモデルは同じ木材ですが杢目が多様で全て表情が違います。全て同じ方法で着色しても良いカラーになるとは限りません。個体にあった色や塗り方などを模索して塗装しましたので、注目して見てもらえると嬉しいですね。


フレイムメイプル 生地着色

3TS 塗装吹き付け

04組み込み

職人コメント

組み込み作業で大切なことは、ギターの第一印象を意識して組み込み作業することです。最終的な完成度は組み込み作業によって左右されるといっても過言ではありません。お客様が店頭で見た時に綺麗だと思えるか、試奏をするときにチューニングの段階で良い音と思ってもらえるかなどを考えながら組み込んでおります。そのためには、フレットの際、ナット溝、配線周りなどの細かい作業をしっかり仕上げることが重要となります。特にフレット周りの仕上げは、プレイアビリティに直結する重要な部分となっております。ナット溝に関しても、音を出しながら調整することによって木材の重量などに合わせて個体ごとに微調整しております。併せて、数値的な部分でも基準値を出すことによって、購入後に好みのセッティングに変更することが可能です。お値段以上のクオリティー提供するために、当たり前の部分はしっかり仕上げ、尚且つプレイアビリティーのために追求する部分はじっくり仕上げております。木工、研磨、塗装、が完璧でも組み込みに間違えがあれば、楽器としての機能を失います。 常に緊張がありますが、ギターになる瞬間に立ち会えるのも醍醐味です。


ボディ ジャック取り付け

ネック フレット調整

ボディ、ネック取り付け