ブレーシング

微妙な削り加減でギターの音色を決めて行く・・・ 全工程の中で最もクラフトワークが映える部分でもあるのがこのブレーシングの整形です。ヘッドウェイでは最も一般的なXブレーシングパターンを基本に、ブレイシングの交点を若干上方向にずらしたセミフォワードシフトを主に採用しています。モデルによってはそこに更にスキャロップ加工が加えられます。
ボディトップの裏面に位置する為、あまり目に付く部分ではありませんが、この様な目に付かない部分にこそ多くのこだわりは注がれています。

<セミフォワードXブレーシング>

中央で交わるⅩブレースの交点が通常よりもサウンドホール側へシフトしたパターンがフォワードシフトです。最も強度の高いⅩ部分がブリッジ真下のポイントよりも遠ざかる事で、振動性が良く、より豊かな鳴りを引き出すことが出来ます。ただし、こちらも強度を犠牲にする事になります。通常、サウンドホールから 25mm程の位置にⅩがシフトしたものをフォワードシフトと呼びますが、ヘッドウェイではそれとノーマルの中間付近にⅩ部があたるセミフォワードシフトⅩ ブレーシングを基本としています。これはノーマルⅩブレイシングの芯のある音色と、より幅広いプレイに対応可能なソフトなテイストをバランスさせる、ヘッドウェイのサウンドとして最も適した位置に設定されています。

<スキャロップ加工>

さらにモデルによってはブレイシングにスキャロップ加工が施されます。このスキャロップ加工は、ブレーシングの強度を僅かに落としていく事で鳴りを引き出 し、その削り方によって音色を微妙に調整する事が可能となります。なるべく高さを残したまま削る体積を大きくする為に、のみとサンドペーパーを使い滑らかな楕円形に仕上げられています。