塩尻・信濃ワインと創る、ディバイザーだけの特別なワイン

ディバイザーでは毎年5月に開催するディバイザー大商談会のタイミングに合わせ、長野県塩尻市桔梗ヶ原にある老舗ワイナリー信濃ワイン社に依頼し、オリジナルラベルの贈答用ワインを制作しています。

この取り組みが始まったのは2017年。当時、松本市のディバイザーショールームで開催していた大商談会に遠方から足を運んでくださった取引先の皆さまに、松本らしさを感じる贈り物をお渡ししたいと考えたのがきっかけでした。

このワインが大変好評だったことから、以後、通常のワインだけでなく、シードルやスパークリング赤ワインなど、信濃ワイン社が誇るこだわりの逸品にオリジナルラベルを施した贈答用商品を制作するようになりました。

2025年、ついにオリジナルワインが完成

これまでは既製品のラベルのみをディバイザー仕様に変更したものでしたが、2025年、初めて中身からオリジナルのワインを作る機会に恵まれました。その名も「Deviser Original Blend Wine」です。

2種類の原酒のアッサンブラージュであるという意味が込められたワインラベル

信濃ワイン社では通常、単一品種・同年産のぶどうのみを使ったワインを製造していますが、今回は初の試みとして、複数の原酒をブレンド(アッサンブラージュ)した特別なワインを信濃ワイン社・塩原悟文社長自らの手で製作いただきました。

なぜ今回会社として初の試みとなるアッサンブラージュ・ワインを作っていただいたのか、塩原社長にその考えを伺いました。

信濃ワイン社長に訊く オリジナルワイン誕生の経緯 

信濃ワイン社 塩原悟文(しおはらのりふみ)社長

1952(昭和27)年、塩尻市生まれ。東京農業大学醸造学科卒業後、ミシガン州立大学へ留学。帰国後、海外で学んだブドウ園芸学、醸造学、発酵工学等をベースに、地元 塩尻に根ざしたワイン造りに力を発揮。無添加ナイアガラワイン、無添加にごりワイン、竜眼ワイン、メルローの樽熟成ワイン、シャルドネの樽熟成ワイン、氷結のデザートワイン、高級ブランデー、メルロージュース、シャルドネジュース、スパークリングワインなど数々の新製品を生み出す。たゆまぬ努力が実り、イギリスの国際ワインコンクールでの優秀賞受賞、スロベニアの国際ワインコンクールで銀賞受賞、国産ワインコンクールで金賞受賞、カテゴリー賞受賞など数々の賞を受賞する。
塩尻市観光協会の会長役を務め、イベント活動を通じて信州ワインの普及に努める。

ーー今回、美味しいワインを造っていただきありがとうございます。私たちはワインについては素人ですが、色々教えてください。そもそも、なぜ通常生産していないアッサンブラージュワインをご提案くださったのでしょうか?(※注 アッサンブラージュワイン = 異なる品種のブドウを混ぜ合わせたワイン)

塩原社長: こちらこそ、いつもご注文ありがとうございます。今回、アッサンブラージュに挑戦したのは、ディバイザーさんの自由な発想とチャレンジ精神に刺激を受けたからです。その姿勢を見て、私たちもこれまで手掛けたことのない挑戦をしたくなりました。

ーー信濃ワイン社は1916年創業と長い歴史がありますが、これまでアッサンブラージュワインを作ってこなかった理由は何でしょうか?

塩原社長: それはワイン後発国ならではの事情があります。日本やオーストラリア、チリなど、ワイン生産を後発的に始めた国では、使用されているブドウの品種と産地を明らかにしてPRすることによって付加価値を付けるという手法が定着していました。例えば「塩尻市桔梗が原産のメルロー」などですね。その土地ならではの、この土地にしかない純粋なワインであるということを強調しているんです。
一方でワインの伝統産地であるフランスやイタリアでは、アッサンブラージュされたワインが基本です。複数の品種のブドウの原酒を混ぜてとにかく味に自信のあるものを作るということを念頭にワインが作られているんです。今回はその精神に倣って、これまでに当社が出してきたワインとは異なる新しい味わいを求めて原酒をアッサンブラージュいたしました。

ーー そういった事情があったのですね。今回のDeviser Original Blend Wineに使用されたブドウは何の品種で、どのような基準で配合を決められたのですか

塩原社長: 今回ベースとなる味として選択したのは2016年産のカベルネ・ソーヴィニヨンです。カベルネ・ソーヴィニヨンは渋みが強く、しっかりとしたフルボディの味わいが特徴です。長期間の熟成にも適しており、熟成を重ねることによって味がまろやかに育っていくことが大変魅力です。カベルネ・ソーヴィニヨンはワインに使われているブドウの品種の中で、一番良いものの一つなんです。ですから熟成されたカベルネをベースにした美味しいワインを作りたいと考えました。

信濃ワインが育てているカベルネ・ソーヴィニヨンの畑

ただし渋みの強さを苦手に感じる人もいますので、もう一つの品種として2022年産のメルローを配合しました。メルローはカベルネ・ソーヴィニヨンとは対照的に、軽くて甘みがあり、華やかな香りが特徴で、その飲みやすさから日本で人気の品種です。カベルネ・ソーヴィニヨンの味をベースにして、メルローの甘さを加えることによってバランスを整えました。

信濃ワインの所有するメルローの畑。軽さと華やかな香りが特徴。

ーー 私も一口いただいたときにまず感じたのは甘くてフルーティな口当たりでした。でもその後から渋みがガツンときて、これはすごいなと。カベルネ・ソーヴィニヨンは2016年産とのことですが、ディバイザーの大商談会が始まったのも2016年なんです。

塩原社長: そうだったのですね。今回2016年の原酒を選定したのはまったくの偶然なのですが、それは良かったです(笑)。カベルネ・ソーヴィニヨンは気候などによって品質が左右されやすく、年によって出来が変わるのですが、2016年産はなかなか良い出来でした。

ーー 2016年に収穫されてから9年間、どのように保管・熟成されてきたのですか?

塩原社長: まずは収穫したその年に醸造した原酒をフレンチオークの樽に入れます。樽での保管は酸素が適度に取り込まれ、酸化させながら味を熟成させます。酸素を取り込みすぎると味が損なわれてしまうので、樽熟成を2年ほど行った後は原酒を瓶に移して、瓶熟成を行います。瓶に移した後は酸素を取り込まずゆっくりと熟成しますので、何年でも保管することができます。当社では古いものでは1956年に瓶詰めしたワインも保管しております。(※注 1956年製のワインは通常販売はしておりません)

信濃ワインの歴史の証人である1956年産のワイン。画像を拡大すると”1956”の文字が見えます。
1956年製の古酒ワインは信濃ワイン社店頭でも展示されています(非売品)。長期熟成を経て琥珀色に変化したとのこと。


ーー熟成によって、ワインの味はどのように変化するのでしょうか?

塩原社長:醸造したばかりのワインはフレッシュで瑞々しい反面、少し荒々しさやトゲのようなものも感じられます。熟成を重ねることで、そのトゲが徐々に取れ、角のあった味わいが丸みを帯びていき、渋みも落ち着いてこなれていくんです。ただし、ワインは非常にデリケートな飲み物なので、日光や高温には弱く、湿度と温度の安定した暗所で静かに熟成させる必要があります。

信濃ワイン本社の地下にあるワイン貯蔵庫。地下の湧水を活用して最適な温度と湿度が保たれています。


ーーワインといえば、料理と合わせることも楽しみの一つだと思います。今回の「Deviser Original Blend Wine」は、どのような料理と合わせるのがおすすめでしょうか?

塩原社長:日本の様々な料理と相性が良いと思います。ただ、ワインはあくまで料理の味を引き立てる脇役の存在。主役はあくまで美味しいお料理です。今回のワインも、ぜひそんな美味しい料理と一緒に楽しんでいただきたいですね。


尽きないワインのお話

今回の記事でご紹介した以外にも、塩原社長からはたくさんの興味深いワインの話を伺うことができました。スペースの都合上、その多くをご紹介しきれなかったのが残念です。興味を持たれた方は、ぜひ長野県塩尻市の信濃ワイン社を訪れ、実際にお話を聞いてみてはいかがでしょうか。

こだわりの逸品がずらりとならんだ信濃ワイン店頭
デザートワインやジャムなども展開しています。

なお、本記事で紹介した「Deviser Original Blend Wine」は現在のところ非売品で、ディバイザーの取引先様など、限られた関係者のみにお配りしている特別なワインです。もし手に取る機会がありましたら、ぜひ大切なひとときに味わっていただければ幸いです



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