ギターとして蘇る『大湫神明神社の大杉』① 

岐阜県瑞浪市大湫町の町のシンボルとして地域の住民に愛されてきた神明神社の大杉」。14世紀から存在すると推定されるこの御神木が2020年7月の豪雨災害によって惜しくも倒木してしまったというニュースをご覧になった方もいるかもしれません。

幸い倒木による人的被害は免れたものの神社の施設は甚大な被害を受け、そして町のシンボルを失ってしまった大湫町の皆様の悲しみは大きなものでした。そんな中で地域の有志が中心となり、神社を復活させ大杉を後世に伝えていくための大杉被災復興プロジェクトが立ち上がりました。

大湫町の有志が集って立ち上げられた大杉被災復興プロジェクト (画像クリックで別サイトが開きます。)

縁があってこの神明神社の大杉の復興プロジェクトは私達の知るところとなり、サクラやトチ、赤松など様々な和材を用いたギター製作に取り組んできた経験を活かしてこのプロジェクトの力になれないかと思い立ちました。こうして計画が始まったのが、大杉を用いたギター製作です。

2021年11月16日のDeviser One Day Guitar Showにおいて全貌が明らかになるこの「大杉ギター」。その売上の一部は復興プロジェクトの一環として大湫町に寄付されます。本記事より複数回に分けて、大杉の材の引受からギターが完成するまでの道程を追っていきます。

2021年初春 大杉の引き受け

2021年初春、私達は大杉の幹を分けてもらうために大湫町神明神社を訪ねました。倒木した大杉の映像は前もってニュースなどで見ていましたが、神社に着いて実物に対面するとその想像以上の大きさに圧倒されました。地面に横たわる大木の直径は大人の背丈以上の大きさであり、何世紀にもわたる遥かな時間をかけて育ってきた年月の凄みを感じさせるものでした。

大杉の根元部分の直径は最大部分で約9.1m。人間の背丈を優に超えています

上部の幹でも大人が手を広げても届かない太さ

神明神社の立て札 (※倒木した後の科学的調査により大杉の樹齢は現在では670年と推定されています)

分けて頂いた幹を車に詰め込み、製材所へと向かいます

製材所・材の乾燥工程

大杉の幹は製材所へと運搬され、ギターへの加工を行い易いように適度な大きさに切り出していきます。切り出された板は、一定期間寝かせて自然乾燥させたうえで2週間ほど人工乾燥機にかけて徐々に含水率を落とし、木材として安定した状態へと変化させます。

製材される大杉の幹
人工乾燥機にて材中の含水率を落とします

木工加工の開始

切り出された大杉のボディ材のチェックを行う飛鳥工場の木工加工担当責任者、高取裕二 

人工乾燥工程を終えた大杉はギターのボディのサイズに切り分けられ、引き受けから数か月経過していよいよボディ加工が始まります。

一体この大杉はどんなギターになるのでしょうか?
少しだけヒントで、加工途中のボディの写真を下に掲載します。これで何のモデルか分かった方はかなりのディバイザー通です!

また、大杉ギターの製作中の様子が下のDeviser One Day Guitar Show予告動画内でほんの少しだけ映ります。
こちらも是非ご覧ください。

本記事の内容が動画になりました ※2021年10月29日追記

大杉の引受からギター製作が始まるまでを3分ほどの短い動画にまとめています。
ギター製作が開始する後編は11月中旬に公開予定です!


次回は大杉ギターの木工加工中の様子を写真を交えて紹介します。是非お楽しみに!

Deviser One Day Guitar Show特設ページは11月16日にオープン予定この日のために鋭意製作中の特別モデルが一挙公開されます。

ONE DAY GUITAR SHOW2021特設サイトOPEN(2021年11月17日追記)

2021年11月16日(火)18:00に特設サイトを一般公開いたしました!
本モデルはONE DAY GUITAR SHOW2021の出展品です。詳しくは特設サイトをぜひご覧ください◎


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