おさむらいさん新モデル「零れ桜」開発に至るまで【ディバイザー大商談会2025】

2000年代後半、YouTubeやニコニコ動画といった動画投稿サイトの黎明期から演奏動画の投稿を始め、アコースティックギターによる“弾いてみた動画”のパイオニアとして知られるギタリスト、おさむらいさん。

おさむらいさんが愛用する「Headway HJ-523」が2015年に復刻されて以来、翌2016年にはその仕様を受け継いだシグネチャーモデル「HJ-OSAMURAISAN」が発売されるなど、Headwayはこの10年間をおさむらいさんとともに歩んできました。

そして今年5月「ディバイザー大商談会」にて、おさむらいさんとHeadwayが新たに共同開発したモデルを発表します。

新モデル『零れ桜』

今回発表される新モデル『Headway HF-KOBOREZAKURA』は、その名の示す通り、Headwayが得意とする桜材を用いたギターです。

本記事では、先日おさむらいさんを迎えて撮影された写真とともに、このモデルが開発されることになるまでの経緯をお伝えします。

百瀬恭夫製作の桜ギターとの出会い

桜をモチーフにしたおさむらいさんのギターを製作したい——この構想は、実は数年前から話し合われていました。

そのきっかけとなったのは、2020年、おさむらいさんが出会ったとある1本の桜ギターです。

当時おさむらいさんから「百瀬さんが元気なうちに1本オーダーメイドのギターを作ってもらいたい」という相談を受け、木材や仕様の参考のために当時の百瀬の最新モデルを弾き比べてもらう機会がありました。十数本を超える百瀬製ギターを弾き比べた中からおさむらいさんが最終的にオーダーメイドギターの下敷きとなるモデルとして選んだのが、その桜ギター「HM-SAKURA CUSTOM 」です。

「HM-SAKURA CUSTOM #003179」2020年百瀬恭夫製作

HM-SAKURA CUSTOMを試奏するおさむらいさん
ギターをおさむらいさんに説明する百瀬
当時撮影された百瀬恭夫、おさむらいさん、安井雅人のスリーショット

当初はマダガスカルローズウッドやハカランダなどの評価の確立している高級ローズウッド材がオーダーメイドギターのサイドバック材の第一候補として挙がっていましたが、おさむらいさん曰く、「桜材の持つ、どこか甘くやさしい響き」に惹かれて、オーダーメイドギターのサイドバックに桜材を使用することが決定しました。

「おさむらいさんの桜ギター」誕生

そして「HM-SAKURA CUSTOM #003179」の仕様を下敷きとしながら、おさむらいさんの要望を反映させることによって生まれたのが、HF-KOBOREZAKURAの原型となったオーダーメイドの桜ギターです。

おさむらいさんのリクエストを元に百瀬恭夫が製作したオーダーメイドギター

「ボディへの過度な装飾は省いて、生音に拘ったギターが欲しい」というおさむらいさんの要望を受けて、トップ板の振動を最大化するためにピックガードを取り除く一方、ヘッドや指板、サウンドホール周辺のロゼッタには桜のモチーフを取り入れ、桜ギターらしい華やかさもあるバランスの取れたルックスに仕上がりました。生鳴り重視の設計のためピックアップは搭載していませんが、おさむらいさんのライブにおいてはここぞという場面で生音で演奏されるなど、今日にいたるまで大切に弾き続けられています。

2022年公開のHeadway45周年記念動画の中でも、他のHeadwayギターとともにこの桜ギターを紹介していただきました。

そしてこの拘りぬいたオーダーメイドの桜ギターにおいて重要視されたポイントは、新モデルHF-KOBOREZAKURAにおいても踏襲されることとなりました。

新モデルHF-KOBOREZAKURAの開発へ

Headwayではこの百瀬製のオーダーメイドギターの仕様やデザインを元に、既に発売していたシグネチャーモデル「HJ-OSAMURAISAN」や「HM-OSAMURAISAN」のようにHeadway Japan Tune-up Series(以下JTシリーズ)の手に取りやすい価格帯に落とし込んだギターを作りたいという思いを長らく抱いていました。しかし、その実現にはいくつかの課題がありました。

最も大きい課題は木材加工を海外工場で行うJTシリーズにおいて桜材の供給が難しいということです。桜材の木目を活かして敢えて着色を施さずに仕上げられたこのモデルの雰囲気を再現するためにも、桜材をサイドバックに使用することは必要不可欠でした。

HF-KOBOREZAKURAの側裏に使用されるヤマザクラ材。やや桃色がかった優しく明るい木肌が特徴的

ヤマザクラ材をサイドバックに使用した別モデル。(HOC-SAKURA/JS )

この課題は長らく開発の足かせとなっていましたが、2024年、ようやく突破の糸口が見えてきました。木材業者の協力のもと、国産の桜材を海外に出荷するルートを確立することが出来たのです。

こうして、おさむらいさんが桜ギターに出会ってから数年間温めてきたアイディアを形にする機会がようやく巡ってきました。百瀬製の桜ギターのエッセンスを引き継ぎながらも、より幅広いユーザーの皆様にお届けできるギター「HF-KOBOREZAKURA」の開発が始まりました。

HF-KOBOREZAKURAの全貌と詳細は5月21日公開

本記事にて開発に至るまでの経緯を紹介した新しいおさむらいさんモデル『HF-KOBOREZAKURA』。

全貌や詳細は、2025年5月21日(水)18時に公開されるディバイザー大商談会の特設サイトにて公開予定です。


一方、おさむらいさんのYouTubeチャンネルでは、一足先にHF-KOBOREZAKURAを使用した演奏動画も公開中です。

ぜひ、特設サイトの公開を楽しみに待ちながら、おさむらいさんのチャンネルでその音色をご体感ください。


カウントダウンサイトがオープン中!

2025年のディバイザー大商談会は、5月21日(水)に開催決定。当日18:00より特設サイトがオープンし、約150本に及ぶ限定モデル・新製品を発表いたします。開催までの期間は下記カウントダウンサイトより、各ブランド注目製品の予告記事が公開されますので、お見逃しなく。


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